板村瞳と森脇ひとみによるガールズデュオ、その他の短編ズ。彼女たちの新作をリリース出来ることを嬉しく思います。
2012年に福岡で結成し、お面をつけての演奏や、絵と言葉を用いたパフォーマンスなど、音楽と演劇を融合したようなユニークなスタイルで活動を続けるその他の短編ズ。過去には「シブカル祭。」や「黄金町バザール」など、カルチャー、アート系イベントにも数多く出演し、音楽、アート、ファッションと、シーンの垣根を越えて、今大きく注目を集める二人組です。
初の全国流通盤となった前作『13』は、過去作品からセレクトされた楽曲を再録した初期ベスト的な内容でしたが、本作はその他の短編ズの次なる一手、新たな始まりとなるミニアルバムです。とはいえ周囲の期待や喧騒をよそに、二人に気負いはゼロ。今回もマイペースに二人だけの世界を築き上げています。
二本のアコースティックギターとリズムマシーン兼キーボード。そこに少しのパーカッション。楽器はこれだけ。余計な装飾を排したミニマルなアンサンブルに、歌ともラップとも朗読とも祝詞ともつかない、ユニークなボーカルのかけあい。奇妙だけど耳に心地よい言葉のチョイス。そしてグッとくるメロディとハーモニー。フォーク?アヴァンポップ?ローファイ?インダストリアル?アートパンク?ヒップホップ?はたまた神楽?そのいずれでもあって、いずれでもない、あまりにも独創的なサウンドプロダクション。本作『Conga』では、これらその他の短編ズのユニークな個性が、より研ぎ澄まされ、恐ろしくポップに結実。全七曲とコンパクトな作品の中に、彼女たちのオルタナティブな魅力が溢れています。二人のヒトミ、その眼差しの向こうに広がる、少し歪で豊穣な世界。触れると心がザワザワしますよ!
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