—ごく普通に生活していたはずなのに、いつのまにか、ばらばらの不協和音しか奏でられなくなった家族が、もう一度一緒にひとつの旋律を鳴らせる日は来るのだろうか—
世界が認める巨匠、黒沢清監督が、自身のキャリアで初めて挑んだ、現代日本の家族を映し出した意欲作『トウキョウソナタ』。kazumasa hashimotoが初めて映画音楽を担当し、第61回カンヌ映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した事でも大きな話題を集めているこの映画のオリジナル・サウンドトラックを、nobleより発表します。
メロトロンやピアノ、ギターやノイズで奏でるミニマルかつ暖かみのある旋律が映像と見事にシンクロし、黒沢監督が描く世界をより強固に、より印象的に彩った劇伴曲に加え、橋本がこの映画のために描き下ろした数多くの未収録曲、更には劇中でも効果的に使用され、本人も敬愛するドビュッシーの「月の光」を、今回新たに橋本がカバーしたバージョンをも収録。ただのサントラとしてだけでは終わらない、kazumasa hashimotoのオリジナル・アルバムとしても十二分に楽しめる作品に仕上がりました。
『トウキョウソナタ』というタイトルが示す通り、この映画で重要な役割を担う音楽に真っ向から挑んだkazumasa hashimoto。余分な装飾を一切排し、その曲がもつ原石、核となる部分をそのままに、純度の高い音楽を作り上げる事で、この映画を完璧なかたちへと導きました。映画音楽家として新たな地平へと踏み出した、記念碑的作品です。
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